闇を纏う。
自分は世界の何を知っていて
何を知らないでいるのか?
私が知っていると思う
私とはナニモノか?
これらの問いに
「正解」は存在しえない。
瞬間現れては消える
泡のような現象をとらえて
「わかったぞ!」
と言ってしまうことは
可能かもしれない。
けれど、
その行為が可能であることと
発見したものが正解であることは
同じことにならない。
そのため、
私たちはたいてい
嘘を吐きながら
生きることになる。
ー わかっている。
ー 知っている。
ー その答えは、いずれ誰かが見つける。
そうして、世界から
曖昧さや不可思議さが
失くなり
〈個〉の可能性は
確実性や安心感の代償になる。
ほら。
いまにも、世界が嘘のヴェールに
覆われゆくのを
感じないでは
いられない。
だから
なんとしてでも。
私は嘘と訣別したい。
長年、身にまとい
人工的な皮膚のようになった
虚構世界から身を引き
自分と世界をつくりなおす
ために
私は、闇を纏う。
自分はなにもわかっていない
かもしれないという
無知の空間=闇、を生み出して
そのなかへ進んでいこう。
ー わからない。
ー 知らない。
ー 答えは、無数にあるのかもしれない。
無知、無能、予測不能という
言葉がつくる影に怯えることなく
可能性の空間を広げる
意図をもって「闇」が扱われる時。
〈わたし〉たちは
闇を灯として使うモノになる。
進化ミーム製作STEP 1_1
可能性の空間を広げるため、
無知という「闇」を身に纏う。
§§§
詩人ルーミー
闇はあなたのろうそくである。
予告:
次回は、闇を纏う、続編として
認知科学や心理学の様子を取り上げる予定です。